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花浅葱

Author:花浅葱
写真と旅を愛する名古屋人。
2010年4月より学生になり、
2012年4月、就職すると同時に
大学に編入、2015年3月に
卒業しました。
ゆる〜く更新しています♪

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2008.09.11_22:12
今年の3月に初めて話が持ち上がった富士登山も、
ようやくこの9月8、9日にその約束を果たすことができた。
これはもちろん私一人の力ではなく、励ましの言葉あったればこそ
成し遂げられたのだと思っている。

本来ならば、登頂できてうれしい!で終わりたいところだが、
登って感じたこと、気がかりなことをここで書いておきたい。

これは前にも書いたが、まず最初に驚いたのは
富士山を訪れる人に、登山の初心者が大変多いことである。
これは、私が初心者ではないと言いたいのではない。
私だって十分初心者の部類だが、それ以上に
「山小屋」に一度も泊ったことがないような人が多いということだ。

山、もしくは自然豊かな地にトレッキングなどで入る場合も含めて、
いちいち注意書きなどがない、暗黙の了解と言うべきものがある。

・ゴミを捨てない。
・入ってはいけないところに入らない。
・保全地域の中では洗剤(もちろん、歯磨き粉を含む)を使わない。
・トイレを利用するときお金を入れる場所があれば必ず入れる。
・小屋は相部屋が当然。他人に極力迷惑をかけない。

もっとあるかもしれないが、私が思いつく最低限守るべきことである。

吉田口登山道では、清掃登山の甲斐あってか
ほとんどゴミは目に付かなかったし、
入ってはいけない所、すなわち登山道以外の場所だが、
これも入りたくなるような箇所がほとんどないので
そこに入っている人を見かけたことはなかった。

歯磨き粉を使って歯磨きをしている人はいた。
富士山は水が貴重で、風呂も洗面のための水もない。
それを、歯磨きのためのミネラルウォーターをわざわざ持ってきたのか
その為に買ったのかわからないが、
口をすすいだ水を小屋の軒下に吐き出しているのを見かけた。

いくら高所で植物が少ないとはいえ洗剤、特に合成洗剤は
どのような自然に対しても益を成す事はない。
一日ぐらい歯を磨かなくても死ぬことはないのだから
自分が恩恵を受けている目の前にある自然を
尊重することはできないのだろうかと残念に思う。

そして、トイレの問題。
ジ~ッと張り付いてチェックしていたわけではないが
トイレを利用してもお金を入れない人が目立つ。
これは言語道断。
人が入れないから自分も入れなくてもいいというのは
理由にならない。
今年は20万人超が登ったという富士山。
そんな中でトイレをキレイにしてくれている人々への
感謝の気持ちをもう少し持ってほしい。
1回100円である。
400円のカップヌードルはすぐ買えても
トイレに100円を払えないのでは情けない。
トイレがないとどれだけ困るか、考えてみてほしいのだ。
「汚い」のが評判の富士山にあるトイレだったが
バイオトイレが普及しているらしく、
利用した白雲荘のトイレも、とてもきれいだった。
結局利用したのはそこだけなので、他のトイレはわからない。

そして山小屋。
同じパック旅行に若者が多かったせいか
今までに体験したことがないほど騒がしかった。
若いゆえに興奮して、眠れないということもあるだろう。
しかしだからと言って、夜中中階段を往復したり、
廊下を走ったりしてもいいというものではない。

山に来るならそれなりの掟を理解してほしい。
そして協力し、守ってほしい。
客が減るといけないので、添乗員はそういった説明を一切しない。
しかし、富士山を守りたいなら、世界遺産に登録したいなら、
利益主義に走ることなく、モラルを説く必要があると思う。
私たちが自然を楽しんでいるのではない。
自然が私たちを楽しませ、心安らかにさせてくれているのだと
感じてほしいのだ。

最後に、山小屋の食器について。

夕食、朝食共にプラスティック製の容器が使用されていた。
水が貴重だということは、十分承知している。
食器を洗うための水も確保できないし、
食器を洗えば、何よりその排水で周囲が汚染されるだろう。
だからプラスティック製の使い捨て容器を使う。
それは仕方がないのかもしれない。

その使い捨て容器が1シーズンどれくらいの量発生し
どのように処分され、再生率はどれぐらいなのか。
そして、どのような素材のものが使用されているのか。
少し調べてみたが、何らかの資料を見つけることはできなかった。

富士山のあの姿が見えると、思わずうれしくなってしまう。
そんな日本人の魂とも呼べる、かけがえのない山。

この山だけに留まらない。
自然を守りたいなら、また限りある資源を有効に使いたいなら
そういった問題に前向きに対処し、情報を公開する必要性を感じる。
そして、そこに足を踏み入れたら私たちは利己主義に走るのではなく
「自然が主役」なのだと理解し、感謝することが必要だと思う。

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2008.09.09_22:57
頭の上で階段を駆け上がり駆け下りる足音。
頭の下では服がシャカシャカと絹ずれる音が
通路を何度も往復している。

どんなところでも寝られるのがとりえの私だが、
ようやく温まってきたところで、これではとても眠れそうにない。
そこに、5人ほど向こうに寝ているおじさんの
すさまじいイビキの大音響がおまけで付いてきた。
ここではさすがに、数少ない私のとりえを返上しなければならないようだ。

それでもただひたすら目を閉じて、体を休めることに努める。
外ではゴウゴウと風が唸りをあげている。
そうこうしているうちに、少しウトウトしたらしい。
2時半に出れば十分と言う山小屋のスタッフを信じ
2時に出発することに決め、目覚ましを1時半にセットしておいたのだが、
ザワつきを感じ目を開けてみると、周りは人々はすでに起きていた。
何時かと思い時計を見ると、まだ1時ではないか。
みんな、なんと気が早いのだろう。

私は頂上で延々とご来光を待つのがイヤなので、
横になって1時20分頃までそのまま粘っていたが、
いい加減辺りも騒がしく、とうとう起き上がった。

5分ほどそのままボーっと座っていたが、
おもむろにザックからカロリーメイトを取り出した。
すると、なぜか箱がいびつに壊れている。
荷物を無理やり詰めた記憶もないのに、と思って箱を開けると、
内袋がパンパンに膨れ上がり、箱を変形させている。

「なるほどね~ これが富士山名物の・・・」
なんて思いながら、喉に詰まるカロリーメイトをお茶で無理やり流し込んだ。
朝食はすでに昨日の晩支給されていたが、まだ夜中の1時半。
かといって山を上るのに、少しは栄養分を補修しておかないとマズイ気がした。
それよりなにより、私は起きたらすぐに食べないと
確実に動きが鈍くなる体質なのだ。

風の音からすると、かなり寒そうな感じがする。
前日から着ている保温肌着に半袖のドライTシャツ、
その上に長袖のフリースを着て、外にあるトイレへと向かう。
すでにトイレでは出発前に用を足す人で順番を待つ列ができている。
容赦なく吹き付ける風。
この格好で外に出たのは失敗だった。

やはりここでも少し悩んだが、結局この上にレインウェアの上下を着る事にした。
残るは長袖のドライTシャツと、フリースジャケットのみ。
今の状態でさらに長袖のドライTシャツを着ると動きにくいし、
頂上がどれほどの寒さかわからないので、
フリースジャケットは温存した。

寝床の上で準備を整え、山小屋を出たのがちょうど2時。
外で靴紐をしっかりと結び、フリースの目出し帽と手袋をつける。
風は強く冷たく、とても耳を出す気にはならないが
2月の愛媛ほどの寒さではないなぁと思った。
あの時は余りの寒さに思わず涙ぐんだが、今日はそこまでじゃない。

空には満天の星。
朝の天気に期待が持てる。
見下ろせば、はるか下のほうに美しい夜景が広がる。
2時だというのにこの明るさだ。

6296.jpg

ヘッドライトにスイッチを入れ、真っ暗な道へと足を踏み入れる。
白雲荘からの出発者はまばらで行列ができるほどでもなく、
基本的には自分の明かりだけが頼りとなる。

二つほど上にある宿に差し掛かったのが2時半か3時頃だったか。
ちょうどガイドとツアーの一行が、出発しようと山小屋の前に勢ぞろいし
その山小屋の前を通り抜けるのが少々困難な状態にさえなっていた。

道はだんだんと砂礫化し、足を取られやすくなっている。
その砂礫は時に乾いた高い音でカラカラと鳴り、
踏み降ろしたその一歩をなかったことにしてしまうのだ。

息が上がりやすくなり、休み休み登っている私に、
先ほどの山小屋前にいた一団が追いついてきた。
一団もそこで休憩を取るらしく、ガイドを先頭に列が続いている。
するとガイドが一言。
「ここから先はむちゃくちゃ寒くなるから、余っている服があるなら全部着て!」

聞けば九合目はもう目の前で、そこから先はずっと稜線を歩くのだとか。
ただでさえ風が強いのにそこからはもっと強くなるから、
ありったけのものを着込めというのだ。
私も便乗してすぐさまザックを肩から下ろし、
フリースのジャケットを引っ張り出してレインウェアの下に着た。

休憩するとかなり早く息は戻るのに、動き始めるとすぐに上がってしまう。
これはやはり私の肺活量不足なのか、それとも空気が薄いせいなのか。
一団の休憩が終わり、出発するようだ。
私は過ぎ去るのを待って、一番後ろにいた添乗員の後について行く事にした。
団体の一番後ろはその中では一番しんどいのでどうかと思ったが、
そのペースに付き合ってみるのも、いい体験だと考えた。

しばらく一緒に歩いたが、早すぎることなく、適度に休憩を織り交ぜ、
おそらく初心者でも歩きやすいペースではなかったかと思う。
しかし、ある場所で添乗員が脱落しそうになるツアー客の様子を伺っているうちに
私はいつの間にかまた、その一団を追い越してしまった。

少し上で休んでいると、今度は一団が私を追い越していった。
一緒に歩くと明るいので、また一番後ろについて歩こうとしたが
しばらくしてついていけなくなった。

ゆっくり登っていくと、例の一団が道の山側に張り付いて休んでいる。
隙間なく座り込み、ヘッドライトの明かりが延々と続く。
ここで自分が休みたいと思ってもそうするのは難しいのだと気がついた。
座っている人の前に座って登山道を狭くするわけにもいかないので
とにかく列をやり過ごし、誰もいないところまでは登らなければならない。

そんな抜きつ抜かれつの状態だったが、岩場の登山道に差し掛かかると
これもうわさの「渋滞」が起きた。
道が狭いので、基本的に一列になって登るようになる。
すると、5m歩いては止まり、10歩歩いては止まりというように
登頂のための渋滞が起きるのだ。
ただこれもピーク時だと、前の人が右足を出したら自分も右足を出す
状態に陥るらしいので、それを考えれば十分スムーズに流れているのだろう。

しばらく流れについて歩いていた私は
昨夜の睡眠不足がたたってか、とうとうそのペースについていけなくなった。
進むのが遅いので楽なはずなのだが、一旦動き始めると進むスピードが早く
後ろもつかえているので、自分も早く登らざるを得なかった。

それどころか、腰掛けられそうな岩を見つけ休憩すると
思わず寝そうになって危なかった。
そういえば四国に入った初日、
1月の寒風吹きすさぶお寺の軒下で
かなりの時間眠りこけてしまったなぁ。
そんなことを思い出しながら、頭を振り振り歩くのだった。

そうこうしているうちに、空が少し明るさを帯びてきた。
自分の登るペースがあまりにも遅いので、少し焦りを感じる。
本当に頂上でご来光を見られるのだろうか。

6298.jpg

それにしても背後の風景がとても美しい。
登っていると岩や砂しか目に入らないので、時折振り返りながら
相変わらず登っては休み、登っては休みを続ける。

6302.jpg

明るさがどんどん増している。
頂上は見えているが、まだかなり上のほうだ。

私は全く調べていなかったが、周りの人が話しているのを聞いて
日の出は5時20分頃だと知った。
ご来光を見に行っているのに、日の出の時間を知らないなんて
なんて間抜けなんだろう、と思うがもうかなりバテバテで、
ご来光さえ見られればそんなことはどっちでもよかった。

時間はまだ5時前だが、いつ太陽が顔を出してもおかしくないほど明るい。
そして、空の美しさに見とれてしまう。
このままここで、ご来光を待ちたいとさえ思うほどだ。

だが、周りにはあくまで頂上を目指している人々がいる。
ご来光のときをできれば頂上で、そうでなくてもより高く。
そんな思いが彼らからは伝わってくる。

もう頂上の鳥居は見えている。
すぐそこなのに、なかなか到着しない。
もうちょっと、もうちょっと・・・
すると下のほうから「おおっ!」という歓声が上がる。
振り返って思わず私も「あっ!」と叫び、
自然に口元がほころんでくる。

6306.jpg

こうなっては、もうそこから動くことはできない。
日が昇るのはとても早いのだ。
適当な岩に陣取り、カメラを向けてそのときを待つ。

6310.jpg

なんと美しい景色だろう。
間違いなく、今まで見た日の出の中では一番美しい。
朝の凛とした空気に包まれ、至福の時を過ごす。

6331.jpg

十分にご来光を堪能し、すがすがしい気持ちで頂上を目指す。
気のせいか、少し足が軽くなったようだ。
これも、ご来光の賜物なのかもしれない。

眼前に見えていた頂上には、まもなく着くことができた。
このほんのちょっとの距離が私の体力不足を物語っているような気がしたが、
何はともあれ、登りきれた喜びはひとしおだ。

6337.jpg

朝日をいっぱいに浴びながら、連なる山並み、広がる雲海
目の前に広がるすべてのものを慈しむ。
空以外のすべてが自分の目線より下に広がっているという不思議。
それは当たり前のことだが、もちろん私にとっては初めての感覚。
とうとうここに来ることができた。

6339.jpg

充実感をしっかり堪能したので、この頂上で朝食をとることにした。
山小屋でもこっそり覗いたのだが、朝食用のお弁当は
白いご飯に鮭の切り身が一つ、昆布巻き1個、沢庵少々だった。

いざ食べようとお箸でご飯をつかもうとするのだが、
寒いのでご飯が一塊になり、お箸で普通に食べられる状態ではない。
だから、山のお弁当といったらおにぎりに限るんだよね~なんて思いながら
お箸をグーで持ち、ご飯を適当な大きさに分けてから口に運んだ。

食事を済ませ、少しウロウロしながら歩いていると
前方の少し小高くなった場所に鳥居があった。
最初はお鉢めぐりをするつもりだったが、
5合目の集合時間が45分繰り上がったことと、
今の自分の体力を照らし合わせると厳しいと感じていた。
私は一人だし、無理をして怪我や滑落をしてはいけない。
一人じゃなくても、山では常に自分に対しての責任を伴う。

お鉢めぐりは断念し、その少し高い場所にある鳥居へと向かった。
浅間神社の奥社かと思ったがどうもそうではないらしく
鳥居の向こうにはぽっかりと火口が口をあけていた。
覗き込んでみると怖いぐらい深い。
聞いた話によると、この火口に滑落した人がいるというのだが
見る限り、とても自力では戻ってこれそうにない。

この小さな丘に上がるだけでも私の足はヨレヨレだ。
砂礫でできた丘を下って、そのすぐ脇にある下山道へと向かい、
富士山の頂上に別れを告げた。

下山道がブルドーザーのための砂利道とは聞いていたが、
これほどまでに何もないとは思ってもいなかった。
急勾配で砂礫が敷き詰められた道。
それがただひたすら、左右に折り返すように下っている。
ここで、下りの苦手な私は最悪の事態に陥った。
滑らないように踏ん張りながら歩くので、
傷めていた背中がとうとう悲鳴を上げ始めたのだ。
これはまずい・・・ 下りきるまでもつだろうか・・・

もたなくても下るしかないのだが、とにかく背中が辛い。
走って下りていく人がいるというのに、と情けない気持ちになってくる。
山歩きを始めた頃から下りが苦手で、どうにかならないものかと
いろいろ考えて歩いてはみた。
体重のかけ方を変えたり、踏む出す足の角度を変えたり
道をジグザグに下りてみたりといろいろしてはみるものの、
どう変えてみても、「あっ、いいかも!」と思った瞬間に
ズルッっと勢いよく滑るのだ。

下りなのに、こんなに休みながら歩くのは初めてのこと。
同じ場所を折り返しながら歩くので、景色もず~っと同じで、
雲の高さと眼下にある河口湖の角度が変わっていくだけ。

6346.jpg

どんどん歩ける距離が短くなってくる。
2、3回折り返しては休み、折り返しては休む。
いつまでこれを繰り返せばいいのか・・・
変化のない道では気分転換もしにくい。

「みんな早く下りすぎ。ここからなら五合目には10時20分に着く。
どんなにゆっくり歩いても10時50分には必ず着く。」
途中で私を追い抜いていったおじさんが同伴者に言っているのが耳に入った。
集合時間は12時15分だがそれまでに着替えと食事を済ませなければならない。
この状態ても11時頃には着くのだという終わりがやっと見え、少し安心した。

六合目まで下りると、上りの登山道と合流した。
昨日、六合目まで登ってきた道を逆に歩いていくことになるが、
ここからが私にとってはものすごく苦痛になった。
緩やかな上り下りが続く道だが、背中の痛みがピークに達し、
100~300mごとに休憩しなければ歩けなくなった。
その休憩がたとえ30秒でも、とにかく続けて歩くことができなかった。

どんなにゆっくりでも集合時間に間に合うメドがついていたので、
焦りはなかった。
それより、とにかく5合目まで自力で下る。
それだけを考え、時折立ち止まってステッキで支えながら
体を90度に折り曲げ、しばらく休んでからまた歩くのだった。

五合目の建物が見えた時、気が抜けそうになったが、
そこから五合目までは緩やかな上りが結構長く続いている。
昨日、小学生の父兄がバテバテになっていた場所だ。
自分は彼ら以上にバテていたが、すれ違う人と挨拶をかわす時だけは
何とか笑顔を取り繕うことができ、それが救いだった。

長く苦しい下山の道のりも終わりを告げ、視界が開けた。
やっとの思いでの五合目到着・・・
こんなに下りが大変だなんて、思ってもみなかった。

時計を見ると11時10分。
これだけ休みながら下りて来たにしては、上出来だ。
早速、荷物の整理と着替えのために、休憩所へと向かった。
靴を脱いで荷物を降ろすと、どっと疲れが押し寄せる。
もう、レストランへ食事に行くのも面倒だし、
疲れているせいか食欲がない。
だからと言ってこの状態で何も食べないのはよくないので、
レインウェアや衣類をたたんでしまいながら、
残っていたカロリーメイトをやっとの思いで食べた。

気が付けば、時計は11時半を回っている。
添乗員は集合が予定通り13時だと時間が余りすぎると言って
45分繰り上げの12時15分を指定したのだが、
それに加え、帰りの高速がものすごい大渋滞を起こすと力説。
くどいぐらいに何度も繰り返し、
「皆さんが早く集まれば、集まり次第出発します。
帰りの道が込みますので、早く出発できるならそうしたい。」
と、もう本当にこれ以上繰り返さないで!と思うほど
こちらがプレッシャーを感じる位の勢いで言うのだ。
それならそれで、最初から旅程をその時間で記載するべきだし
「あなたがギリギリだったから定刻の出発になった」的な
ある意味脅しを含む言い方は好ましくない。

まだ定刻までには30分以上あったが、こんな風に言われては
のんびりするどころではないので、バスの駐車場までトボトボと歩き出した。
車中に入ると、幸いなことに、まだ数箇所の空席があった。
これであの眉間にシワを寄せた添乗員から嫌味を言われることもないだろう。
後は温泉に入って帰るだけ。
珍しく、今日は帰れることがうれしかった。

そして、帰り道・・・
全くどこも渋滞することなく、旅程では名古屋駅に21時30分到着の予定が
19時半に着いてしまった。
もう少しゆったりした旅行を楽しめたはずだが、
何はともあれ目的を果たし、無事に戻れたことに感謝しよう。

Mさん、私に富士登山の話を持ちかけてくれてありがとう。
あなたのその提案がなければ、私が自分の意思で
この地へ向かうことはなかったような気がします。

Yさん、一時期なえていた私を励まし、富士山へ向かわせてくれて
ありがとう。“蟻の行列”にはあいにく遭遇しませんでしたが、
いい経験をすることができました。本当に感謝しています。

そして、ありがとう富士山。
この機会を与えてくれたすべてのものに、
この旅を通して経験できたことのすべてに感謝します!

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2008.09.08_21:32
今日の集合時間は、名古屋駅エスカ地下街に7時20分。
私は5時に起床し、6時20分に家を出た。

とうとうこの日がやってきた。
昨晩はあまりよく眠れなかったけれど、名古屋の天気は快晴だし、
気持ちよく出発することができそうだ。

6時40分の電車に乗るつもりだったのだが、余裕を持って家を出たせいもあり
駅に着いたら1本前の電車がちょうどホームに到着するところだった。
これに乗ると早く名古屋駅に着きすぎるが、
タイミングよく来たこの電車に乗っていくことにした。

結局、集合時間の30分も前に着いてしまった。
集合時間から出発までに20分あるので、合計50分も漠然と待つのは少し辛かった。
通常、集合時間の直前にならないとツアー受付を始めない場合が多いが、
珍しく、すでに受付が開始されていた。

プリントアウトした予約確認券を差し出すと、愛想のいい男の子がチェックしてから
私に渡すバンダナを探し、渡してくれた。
ここでやっと、なにやら普通ではない雰囲気を私は感じ始めていた。
なぜなら前に受付をした人と、バンダナの柄が違っていたのだ。
これはバンダナの柄で、何かを識別しているとしか思えない。
私が申し込んだのは「チャレンジ富士登山」というもので、
富士山五合目までの往復バス、山小屋の宿泊費(夕・朝食付き)、
下山してからの温泉入浴料が含まれ、
五合目でバスを降りたら帰りのバスに乗るまでは、
自分の好き勝手にしていいと言うもので、私にとっては願ったり叶ったり。

「しろくまバス」 http://www.tabibus.jp/

本当は申し込んだ富士登山パックのURLをリンクしたいところだが、
何しろ9月中旬で終わりなので、せっかく張っても切れてしまうだろう。
ちなみに、私が申し込んだ日の料金は12800円。
なぜかスペシャルデーで、特別に安い日だった。
通常の設定料金は14800円。
高速バスで富士吉田までの片道運賃は4000円、往復だと7000円。
五合目まで行くにはそこから登山バスに乗らないといけないし、
山小屋の宿泊料金は二食付きで7000~8000円ぐらい。
それを考えると、通常の料金設定でもかなりお値打ちだ。
もちろん、心配な人にはガイド付きのパックもある。
あ~なんだか旅行会社の宣伝みたいになってきた・・・

ところで、バンダナの話に戻ろう。
実はこのパック旅行、いろいろな旅行会社で扱っている。
そして、全く同じ内容なのに、なんと料金が違う。
どこのWEBサイトを見ても、自社で企画している印象を受けるが、
数社で人を集め、その寄せ集めでバスを運行するというものらしい。
そして、申し込み会社によって区別されているのではないかというのが私の予想。
しかしこれはあくまでも憶測に過ぎない。

集合時間が迫るにつれ、人がだんだん増えてきた。
集まった面子を見て唖然・・・
中高年の聖地かと思っていた富士山だったが、周りにいるのは若者ばかり。
20歳前後といったところだろうか。
しかもパッと見、山登りなど無縁な感じで、まるで遠足にでも行くかのよう。
この集団と行くのか・・・そう思うと、ちょっと気が重くなった。

バスは無事出発し、長い行程が始まった。
なにしろ、五合目到着が14時。
高速バスなら同じ時間に出発して富士吉田到着は12時10分。
到着が五合目だからと言って、一体どうしたらこんなに遅くなるのだろう。

その原因は、最後のドライブインでの昼食時間。
こちらはハードなバスツアーにも慣れきっているので、
あらかじめバスの中で食べられるようベーグルを用意。
母もいなり寿司を作り持たせてくれたので、
下車して昼食をとるなどという悠長な考えを持っていなかった。
無駄な昼食時間よりも一刻も早く五合目に着き、
明るいうちに山小屋へたどり着くことのほうがよっぽど重要に思えたが、
山歩きどころか、旅行自体にも慣れていないこの面々を見れば
こういった行程取りも仕方がないのか、
企画者がそんなことまで考えていないのかは、定かではない。

結局、五合目到着は14時30分。
高所に体を慣らしてから登り始める必要があるので、すぐには動けない。
これは確実に途中で暗くなってしまうことを意味していた。
ちょっと憂鬱・・・
半袖ドライTシャツとアーミーベストでここまで来ていた私は、
長袖の保温肌着(といってもTシャツに見える)を一番下に着込んだ。
五合目は思ったより天気が悪く、眼下は霧で何も見えなかった。

6253.jpg


15時10分、行動開始。
登山道へ足を踏み入れる。

6254.jpg

少し行くと、向かい側から小学生、それもたぶん1年生の集団が来るではないか。
一体どこまで登ったのかわからないが、子供たちはみんな元気いっぱい。
それよりも、その後ろについている保護者の集団がバテバテになっていた。

6260.jpg

分かれ道に立つ標識。
ここから違うところに行くことができるなんて、考えもしなかった。

6261.jpg

うっそうとした感じが四国の道を思い出させる。

6262.jpg

あんまり考えていなかったけど、霧が出ていると富士山が見えない。
という言い方はおかしいんだよね。
だって、自分足元にあるのが富士山なんだもの。

6265.jpg

六合目にはほどなく到着。
五合目から六合目までは最初に下ってから上る道なので
比較的時間もかからず、楽に歩くことができる。
五~六合目までの上りマップタイムは40分(休憩時間含まず)。

6266.jpg

さすがに多くの人が訪れるだけあって、登山道はとても広く整備されている。
富士登山は上って上って上り続けるのみ。
霧の向こうにうっすらと、七合目の山小屋が見えてきた。

6273.jpg

見えたからといって早々に近づくものではない。
ようやく七合目の山小屋が間近になったとき、一瞬霧が晴れた。

6277.jpg

すでにここでは、手前のちょっとした岩場を登っていく状態。
ようやく七合目の標識に出会うことができた。

6278.jpg

六~七合目までの上りマップタイムは90分。
山小屋から見下ろすと、自分が登ってきた九十九折の道が小さく見える。

6280.jpg

ここからは山小屋も増えてくる。
一合毎に同じものの値段が100円ずつ上がるというから、
どうしても買いたい物があれば、できれば五合目
もしくは最低でも七合目までに買うのがお勧め。

霧を抜けて晴れ間が見えた!と思ったら、もうすでに月が出ていた。

6282.jpg

え~ここからが難所なのにぃ~
まだ明るいし、何とか暗くならないうちに着けるだろうか・・・
でも、私にはわかっていた。
すっかり自分の脚力が弱ってしまっていたことを。
四国で培った健脚は、もうすっかり過去のものとなっていたのだ。

五合目から宿泊する山小屋の白雲荘までは4時間と聞く。
今の私なら、4時間で着ければ御の字。
下手をすればそれ以上にかかる可能性もある。
夕暮れ時になり、少し冷えてきた。
ここで、レインウェアの上だけを羽織る。

そしてここから八合目まではずっと岩場を登って行く。
岩場でも登山道が広いのにはちょっと笑えたが、
だからと言って大人数が一気にこの岩場を登ったら、結構危険だ。
鎖が打ち込んであり登り易いようにはなっているものの、
腕力に助けられた部分が何箇所かあった。
それに、私の前面に固定されたカメラバックが足運びをさえぎって、
この岩場を一層登りにくいものにしていた。

この岩場はいったいどこまで続くのか・・・と思い始めた頃、
ようやく七合目最後の山小屋?
もしかしたら八合目にある最初の山小屋?に着いた。
もうここでは、夕暮れが暗闇に吸い込まれそうになっていた。

6287.jpg

深い青に染まった雲が目線に浮かぶ。
疲れが溜まっていてもしばし佇み、見入ってしまう光景だ。

少し見る方向を変えるだけで、闇の中にほんのりと白い雲が見える。
これも山ならではだろう。

6292.jpg

七~八合目までの上りマップタイムは140分。
七合目を過ぎてから、どれくらい時間が経ったのかもわからない。
それに八合目には新八合目、八合目、本八合目などがあるらしい。
マップタイプは八合目までのものだし、私が泊る山小屋もそこにある。
かなり疲れがピークに達してきたが、ここでやめるわけにもいかない。
とにかく、登るしかないのだ。

こんなところまで来てなんだが、富士登山で心配される高山病も
ここまで私には全く無縁だった。
もっと低い場所でなる人はなっていたので、
もう大丈夫なんじゃないかという漠然とした安心感があったものの、
息の切れやすさにはホトホト参っていた。

ゆっくりでも足を一歩ずつ前に出すしかないのだと言い聞かせながら、
恐ろしいぐらいノロノロと進んでいく。
やっとの思いで次の山小屋へ着いた。
もう、正直なところグッタリだが、白雲荘はこの次のはず・・・
顔はすでに表情がなくなっていた。
もうひとふん張り、何とか持ちこたえなくては!

すると、その山小屋のスタッフが「○○富士登山の方ですか?」と声を掛けてくれた。
よくよく見れば、小屋には「白雲荘」の文字がっ!!!
着いたよ~着いたよ~(涙)
実際には泣いていないけど、本当にそれぐらいの気持ちだった。
時間は19時10分。
きっかり4時間かかっていた。

すぐに部屋(二段ベットの上の段、一坪の3分の1スペース)へ案内され、
食堂へ来るように言われた。
混雑時にはこの一坪スペースを6人で使うという。
一畳を2人で使うのが富士山の常識とは聞いていたが、
一畳を3人でとは、尋常ではない。
幸い、となりで休むのが女性だったので、その点も一安心だった。

同じパックのガイド付きツアー一団がまだ到着していなかったので、
到着前に済まそうと食堂へ行き、カレーを平らげた。
山小屋はカレー全体もしくはご飯だけでもおかわりできるところがあるらしいが、
ここは何もおかわりすることができなかった。

疲れていた私はそれで十分だったが、若い男の子などはやはり足らず、
カップヌードルを400円で買って食べていた。

ご来光を見るには2時か2時半に出れば十分だと、スタッフが教えてくれた。
すでに時間は20時近くなっている。
ざっと出発時の用意をし床につくが、とにかく寒い。
布団も毛布もちゃんとあるのに、まったく温まらない。
そのうち体がガタガタと震えだし、寒気までしてきた。
明日の朝着る為に出しておいたフリースを着込めばマシなのだろうが、
そんなに寒くても、もう起き上がるのさえ面倒だ。

一坪に三人でもやはり自由に寝返りをうったりするのは難しい。
しばらくの間体の震えはとまらず、ちょっと心配になるほどだったが
少しでも温かくなることを期待して、そのまま目を閉じる私なのだった。

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2008.09.07_23:55
突然だが明日、とうとう富士山へ出かけることにした。
9月に入ってからというもの天気が悪く、
なかなか決行するタイミングがつかめなかったが、
待った甲斐があり、運よくパック旅行の空きもあって
すかさず予約を入れての出発だ。

当初は7月中の登頂を目指していたが
タイミング悪く背中を痛め、とても登れる状態ではなくなってしまった。
麓から上るという案も、そのせいで断念。
まぁ、どっちみち、富士吉田行きの高速バスは
すでに満席でチケットが取れなかった。
9月に入ったら余裕で取れると思っていたのに、
それだけは大きな誤算だったのだが・・・

現在も完治したわけではないので、自分でも五合目からが妥当だと思う。
何しろ、背中が痛い一ヵ月半の間は全く歩いていなかったのだ。
五合目からだって、かなり怪しい。
しかし完治を待っていては、今年中に約束を果たすことができない。
約束と言うのは、知らない方もみえるだろうが
富士山を世界遺産にするために活動されているNPOの方と
酒の席での軽い約束が、私を富士山へ向かわせるきっかけとなったのである。
この約束を来年に持ち越すのは嫌だ。
なぜなら、来年自分がどうなっているかなんて、わかるはずもないのだから。

申し込みのボタンをポチッと押してから、
私はベーグル作りに取り掛かった。
もちろん、富士山へ持っていくためだ。
今日は「巨峰」の干しぶどうを入れたスペシャルベーグル。
焼きあがってすぐに食べてみたら、
意外に巨峰の干しぶどうが甘酸っぱく、ジューシーだった。

6246.jpg

そして富士山へ行く準備をようやく始めた。
元々、いつも使うリュックにはレインウエアやスパッツなど
山歩きに必要なものが入っている。
それに必要な衣類と食料などを足すだけで
たいした用意をする必要もないのだが、
今回は予想がつかない高度まで登るので、
どれぐらいの衣類を詰めるべきか、かなり迷った。
考えた挙句、着ていく分と合わせてこれだけに決めた。

・半袖のドライTシャツ(着ていく分)
・アーミーベスト(着ていく分)
・着替え用の半袖ドライTシャツ
・長袖の保温肌着
・長袖のドライTシャツ
・長袖のタートルネックフリース
・フリースジャケット
・フリースの目だし帽
・ツバ付の帽子

これに、レインウェアを組み合わせれば
何とかなるだろうとふんだのだ。
登山用のダウンがあればよかったのだが、持ち合わせがなかった。
街用のダウンでは強度も足らないし、小さくならない。
次にいつ活用するともわからない買い物をする気が起きなかったので
なんとかありあわせのもので間に合わせた。

実際、富士山へ行って使わなかったのは
持っていった衣類の中では、長袖のドライTシャツだけだった。
このほかにはセパレートタイプのレインウェアとスパッツ、
ザックカバー、エマージェンシーシート、トレッキングステッキ
防水機能の付いたヘッドランプを用意。
パック旅行は基本的に食事付だったので食料関係は、
カロリーメイト1箱にシリアルバー1本、塩飴、ガム
アクエリアス500mlを1本、500mlの水筒にお茶を入れたものを持った。

後は、上に行けば行くほど日差しが強いので
強力な日焼け止めとクレンジングティッシュ、
山を下りてから使う歯ブラシセットとタオル、
除菌ティッシュにトイレで使う溶けるタイプのティッシュ、
ハンドタオル、ボールペン、財布、小さな鏡に携帯電話。
マスクとバンドエイド数枚、小さなゴミ袋2枚と輪ゴム数個。

後は、いつものデジカメ(一眼レフ)に予備のバッテリー1個、メモリーカードを
カメラ用の小ぶりなかばんに詰めた。
このかばんは肩からもかけられるし、ヒップバックのように
腰にも固定できる便利なもの。
重くなるので軽度のトレッキングなどでは持ち歩かないが、
さすがに富士山ともなるとそうは言っていられない。
岩場を登る時必ず必要になると考えたし、実際そうだった。
このかばんを腰に固定するためウエストバックが使えず、
アーミーベストを着る羽目になったのだ。

ここの所すっかり昼夜逆転生活に陥っていた私は
明日の名古屋駅7時20分集合に向けて
早々とベットにもぐりこんだ。

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